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不可欠な仕掛けとして大切にしたい

2011.12.23

アガサ・クリスティが名探偵ポアロの最後の事件とその死を描く作品を「カーテン」と題したのは、この終幕というニュアンスをこめてのことではないだろうか。そう思うと、カーテンというものは住まいの中でも、日常の小さなドラマの一景、一景を区切る幕として働いていることに気づく。カーテンを開いて朝の光を室内に導き入れるのは新たな一日のドラマの開幕であり、夜カーテンを引くことはその終幕であり、また日曜口の午後などに寝室のカーテンを引いて仮眠するとすれば、それは午睡の夢という短い幕間劇の始まりである。

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もっとも、カーテンを引いて宵闇を閉め出すと灯に照らし出された室内がにわかにしっとりと落ち着いてくるとすれば、それは夜の憩いという一景の始まりであると言えるかも知れない。いずれにしろ、このように日々繰り返される日常のドラマを効果的に演出するためにも、カーテンを現代の住まいにとって不可欠な仕掛けとして大切にしたいものだと思う。