全国物件情報ブログ

子どもを取りまく住環境

2011.09.30

子どもを取りまく住環境も、大きく変わりました。かつては、子どもの成長を、家庭・学校・地域社会の3本柱が支えていました。家庭には、おじいちゃんおばあちゃん、多くの兄弟や親類縁者。学校には、子どもを容赦なく叱ってくれる先生たち。地域社会には、近所の怖いおじさんやうるさ型のおばさん。何事につけ集まる隣近所の人たち。母親に怒られても、隣のおじさんが褒めてくれたり、あるいは学校の先生に慰められたり、そんな人的ネットワークが細かく張り巡らされていました。考えてみれば、いろいろな顔と人生が、住まいとともに、子どもに寄り添っていたのです。核家族化が進み、地域の人的ネットワークも希薄になってきています。それは必ずしも東京や大阪など、大都市においてばかりではないことは、平成12年に新潟県柏崎市で発覚した「新潟少女監禁事件」を見れば明白です。当時小学4年生の少女が28歳の男に連れ去られ、部屋に監禁されてから9年2ヵ月もの間、近所の人はもちろん、同居していた母親すら気付かなかったという衝撃的な事件です。年1回、管内の全家庭を訪問し、家族構成などを確認する巡回調査を行っている警察も発見することかできず、自浄作用を持っていた地域社会は、地方都市においても既に崩壊していることをはっきりと示しました。当時の新潟県驚の捜査員も「大都市の巡回連絡の徴底は不可能だが、地方都市では巡回連絡が機能していると思っていたが……」と洩らし、地方の急激な都市化にも、事件の発覚を遅らせた一因があることを指摘しています(平成12年2月12日付け東京新聞より)。家の構造自体が、もともと家族コミュニケーションを取りにくかった上、リフォームによって外から直接監禁部屋に入れる階段をつけたため、階下に住んでいた母親すら、同じ家で行われていた犯罪に気がつかなかったようです。住まいの知識があって、家の構造がもっと違っていたら、監禁したとしても、これだけ長い期間発見できなかったということはなかったはず。結局、地域ネットワークが崩壊しつつある今、最小単位である家庭にしか、子どもの人間性や社会性を教育する場は残されていないのです。

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